文房具大手のコクヨS&T(大阪市)製の一部のデスクマットに使われた抗菌剤が原因で、使用者がアレルギー性皮膚炎を発症する被害が止まらない。同社は3年前から対象製品を自主回収しているが、今年も15人の被害報告があり、累計の被害者は約1200人に上っている。
問題の製品は「デスクマット軟質(非転写・抗菌仕様)」のうち、97年10月~00年8月に生産された35万3千枚余。マットに素肌が触れ、皮膚から抗菌剤が吸収されると、人によっては体が過剰反応し、赤くはれたりかゆみが出たりする。経済産業省所管の独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))が05年10月に医療機関から報告を受けて原因究明に乗りだし、06年8月にピリジン系有機抗菌剤が原因と特定した。
同社は99年からそれまでに発症の連絡を10件以上受けていたが、NITEの情報提供を受け、自主回収(代替品との交換)を始めた。回収できたのは今年8月末時点で5万7千枚余(16%)。同社は「消耗品なのでかなり廃棄されたはず。残りは非常に少ない」とみる一方で、「回収をやめる考えはない」としている。
同社の問い合わせ先は、フリーダイヤル(0120・201・594)。